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原題「THE PHANTOM OF THE OPERA」
邦題「オペラの怪人」
監督:アーサー・ルービン
出演:クロード・レインズ(エリック)、スザンナ・フォスター(クリスティーヌ)、エドガー・バリア(ラウル)、ネルソン・エディ(アナトール)
カラーで制作された2度目の映画化作品で、正気だった頃のエリックの悲劇を物語冒頭に組み込むことで、ファントムを「怪物」扱いせず、一人の人間として描き出そうという試みがみられる。
エリックは20年間オペラ座に勤める初老のバイオリニストという設定で、舞台袖に立つクリスティーヌの歌声に類稀なる才能を見出すと同時に、その可憐さと美しさに密かに恋焦がれる。
エリックはオペラ座で演奏して得たわずかばかりの給与をすべてクリスティーヌのレッスン料につぎこみ、自らは貧しさのなかで古アパートに暮らしていた。
度重なる悲劇に見舞われ、遂には下水溝の暗闇に身を隠すエリックとは対照的に、クリスティーヌは自らの才能を徐々に開花させ、多くの男性から恋心を寄せられる、天使のようなプリマドンナへと成長を遂げる。
本作において、クリスティーヌがファントムに心惹かれるシーンは残念ながら皆無である。
ファントムの、醜く歪んでいながらも、ひたむきな愛が彼女に理解されることはなく、クリスティーヌは哀れみと憎悪以外の何ものもファントムに対して抱くことはないままに終わった。
43年度アカデミー撮影賞、舞台装置賞を受賞。
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